へぇー、強いのかなぁ???
よく知らないんだよなー、剣道って……
初めて会った人には、まず自己紹介ですよね?
その話題の1つとしてスポーツ経験があったりすると、話が盛り上がりがち。
でも、私の経験上、それで盛り上がるのは、メジャーなスポーツばかり。
例えば、野球とかサッカーとか、テレビ中継がされてルールもだいたいの人が知ってるものばかり。
だから、剣道のイメージは、「暑そう」とか「臭そう」とかで、それ以外の話になかなかならない……
そんな剣道でも、スポーツなので大会があります。
ながーく剣道をやってる人は段位を持っています。
段位が大会のクラス分けの基準になってたりすることもあります。
じゃあ、その段位って何なのか?
段位と強さは関係があるのか?
簡単に言ってしまえば、
段位は実力を認められた証で強さとは関係ない
これがすべてです。
というわけで、この記事では、そんな段位の仕組みの真相について、強さとの関係も踏まえて紐解いていきたいと思います。
そもそも剣道の段位って何?昇段審査の仕組みをお伝えします!
ところで、剣道の段位ってどのように取れるものなんでしょうか?
基本的な流れとしてはこんな感じ
- 審査の受審要件を満たすことを確認
- 剣道連盟に審査の申込書を提出
- 指定された場所で指定された内容の実技を披露
- 審査員が評価、当日中に合格発表
審査員が評価して、全日本剣道連盟が定めた評価基準を満たしていれば、段位を取得できます。
いいえ、出来ません!
それぞれの段位取得には制限が設けられています。
剣道の段位は初段から八段まであります。
それぞれ見ていきましょう!
全日本剣道連盟の「称号・階級位審査規則及び細則」にはこのように記載されています。
初段 | 剣道の基本を修習し技倆(ぎりょう)良なるもの、一級受有者で満13歳以上の者 |
二段 | 剣道の基本を修得し技倆良好なるもの、初段受有後1年以上修行をした者 |
三段 | 剣道の基本を修練し技倆優なるもの、二段受有後2年以上修行をした者 |
四段 | 剣道の基本と応用を修熟し技倆優良なるもの、三段受有後3年以上修行をした者 |
五段 | 剣道の基本と応用に錬熟し技倆秀なるもの、四段受有後4年以上修行をした者 |
六段 | 剣道の精義に錬達し技倆優秀なるもの、五段受有後5年以上修行をした者 |
七段 | 剣道の精義に熟達し技倆秀逸なるもの、六段受有後6年以上修行をした者 |
八段 | 剣道の奥義に通暁、成熟し、技倆円熟なるもの、七段受有後10年以上修行をし、かつ、満46歳以上の者 |
あるいは、次に該当する場合、地方代表団体の長が特段の事由があると認めた者
Ⅰ.二段から五段までの受審を希望し、以下の年齢に達した者
- 二段→35歳
- 三段→40歳
- 四段→45歳
- 五段→50歳
Ⅱ.初段から五段までの受審を希望し、以下の修行年限を経て、特に優秀と認められる者
- 初段→一級受有者
- 二段→初段受有後3か月
- 三段→二段受有後1年
- 四段→三段受有後2年
- 五段→四段受有後3年
つまり、段位を受けるための資格を簡単にまとめると、
- 持っている段位と同じ年数だけ稽古をして次の段位に挑戦できるようになる(一級と八段は除く)
- 一定の年齢に達する
- ある程度の稽古年数があって、めちゃくちゃ剣道がうまいと認められる
このどれかになります。
ただ、一般的には①になると思います。というか、自分のまわりで②③に該当した人を見たことがない……(私が知らないだけかもしれないですが)
さて、気づいた人もいるかもしれませんが、初段の受審資格に一級ってありますよね?
そうなんです!
段だけじゃないんです!
段のほかに、一級~三級の級位、錬士・教士・範士という称号があります。
これらについても全日本剣道連盟の「称号・階級位審査規則及び細則」に審査資格が載っています。
級位については、
- 級位は一級~三級までとし、地方代表団体が四級以下の級位を定めることを妨げない
- 級位の付与基準は、初段の付与基準に依拠し、剣道の基本を修習し技倆(ぎりょう)相当の受審者に与えられる
とされています。
つまり、昇段審査の準備段階として級審査が設けられているんです。
剣道連盟としては一級~三級は定められたとおりにやってもらって、それよりも前はお任せします、ということらしいです。
実際、級位については十級からのところや五級からのところがあるようです。
詳しくはあなたが所属することになる地方代表団体に確認してください。
称号については、
- 「錬士」は剣理に錬達し識見優良なるもの、六段を受有し1年経過後、地方代表団体の選考を経て、地方代表団体の長に推薦されたもの
- 「教士」は剣理に熟達し識見優秀なるもの、錬士七段を受有し2年経過後、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長に推薦されたもの
- 「範士」は剣理に通暁、成熟し、識見卓越かつ人格徳操高潔なるもの、教士八段受有者で、8段受有後8年以上経過し、地方代表団体の選考を経て地方代表団体の長に推薦されたもの、または全剣連の会長が適格と認めたもの
とされています。
いやぁ、正直、書いてある言葉が小難しくて……
簡単にまとめると、錬士・教士・範士は長年の稽古で剣道のことをかなーり理解していて、それを認めてもらえた人が手に入れるものみたいです。
以上のことからも分かるように、上位の段位を持っている人ほど、長い年数をかけて自分の技に磨きをかけています!
それに、剣道に対しての理解も人一倍あります。
なので、段位が上がれば上がるほど、剣道のプロフェッショナルがゴロゴロいるんです!
剣道の昇段審査には制限が設けられている!
剣道に対する理解を深めていくことで称号の審査に挑戦できるようになる!
段位と強さはまったく別物!?剣道って何段からすごいの???
先ほど、剣道の段位取得には制限があることを書きました。
それらを読んでみて、こんな疑問が湧いた人がいるんじゃないでしょうか?
そうですよね~
剣道というスポーツである以上、大会がありますし、強者と弱者が出てくるのも当然です。
結論から言ってしまうと、段位と強さは関係ありません!!!
段位が上だからといって、必ずしも強いとは言えないのです!!!
もちろん、最高段位の八段の人は、打つタイミングを熟知していて、なかなか打つ隙を与えてくれないくらい強いしスゴイです。
でも、それに比べて、初段とか二段は中学校の部活動で普通にやっていれば取得できてしまうので、大してスゴくないです。
それに、初段とか二段の人は強さも運動のセンスとか稽古量とかに依存するところが多いです(強豪校とかは別かもしれないですが……)
段位はあくまでも、その人が培ってきた剣道の経験を評価してもらったものであって、剣道をやる上での目標の1つにすぎません。
だから、一概に何段から強いとかすごいとかは言い切れないのです!
正直なところ、剣道の強さとか凄さとかは見た人の感じ方で変わってきます。
ただ、剣道をやっている人のなかでは、四段以上がスゴイと言われることが多いです。
四段以上になると、昇段審査の合格率が一気に落ちるからです。
強さの目安になる大会が1つあります。
毎年11月3日に日本武道館で行われる「全日本剣道選手権大会」です。
ぜひ、この動画を見てほしいと思います!
2022年11月3日 全日本剣道選手権大会 決勝
赤 安藤 翔 六段 VS 白 村上 哲彦 五段
あなたはどちらが勝つと思いますか?
どうでしょう?
段位と強さが関係ないのが分かってもらえたんじゃないでしょうか?
ちなみに、2021年の優勝した方は四段の方で、2022年の大会では残念ながら1回戦敗退になってしまいました……
それぞれの年齢に合わせた攻め方で、その人に合ったやり方で、試合を展開していくので、どちらが勝ってもおかしくはないんです。
私自身、年齢が70近い先生と稽古をするときに、打つ速さなんかはよくほめてもらえるんですが、打つタイミングだったり攻め方だったりは全然及びません。
それに、先生は身体の使い方もわかっているので、変に体力を消耗しない方法というのを知っているように感じます。
もちろん、全日本剣道選手権大会は、日本の頂点を決める大会です。
このレベルになってくると、出場者は段位とか関係なしで強いしスゴイと思います。
どの人も攻め方やタイミングを熟知していて、大会で優勝できるように日々辛い鍛錬しているはずです。
だからこそ、どっちが勝つか分からない試合展開を見れることは、剣道の魅力の1つかもしれません!
それぞれの年齢に合わせた攻め方で試合をするため、段位には関係なくどちらが勝ってもおかしくはない!
いかがだったでしょうか?
今回は、剣道の昇段審査の仕組み、段位と強さの関係について書きました。
剣道の段位はその人がどれだけ稽古を頑張ったかの証拠です!
あなたのまわりで、段位を持っている人に会ったら、ぜひ話題にしてみてください!
きっと、段位が上の人ほど、キツイ稽古やたくさんの試合を経験してきているはずです。
話題にしてもらえることはうれしいことだと思います!
もしかしたら、その人は剣道界では有名なスゴイ人かも???